「ボーアがヒットを打つと、ベンチが盛り上がるんです。米球界時代から左投手が苦手でした。左の先発投手とぶつかる試合は、大山悠輔か、J・サンズと併用し、もっと気楽にやらせてやればいいのに」(在阪記者)
阪神は、大型連敗もする一方、勢いを掴むと止まらなくなるチームだ。「ボーアが打つと盛り上がる」というのなら、不振を逆手に、チームが好転していくかもしれない。
また、今季のペナントレースが120試合制となったことで、阪神有利のデータも出てきた。
「昨季以外、阪神は終盤で失速し、順位を落とすパターンが続いているんです」(同)
過去12年分のペナントレース終盤戦を調べてみたところ、120試合時点で阪神が首位だったシーズンは、’08、’10、’11年、’15年の4回。ただ、序盤戦から勝ち続けたのは’08年しかない。つまり、阪神は120試合制ならば12年間で4度優勝となる。何かのきっかけを掴むと、ベンチが明るくなり、一気に上昇していくのだ。
「’08年は阪神にとって黒歴史。序盤戦からブッチギリの独走状態で、120試合終了時点で2位に6ゲーム差をつけていましたが、9月に失速しました。一部メディアが先走って優勝特集の小冊子を発売したところ、巨人に逆転優勝されるという、まさに赤っ恥。岡田彰布監督は責任を取って辞任しました」(べテラン記者)
120試合制なら勝てる。’08年の屈辱を晴らすときがようやく来た。ベンチを明るくさせる起爆剤について、こんな情報も聞かれた。
「ドラフト2位の井上広大(履正社卒)の評判がいいんです。二軍戦でも高卒新人とは思えない鋭い打球を飛ばしています。横浜高卒で同3位の及川雅貴も二軍戦初登板で勝利投手になりました」(前出・在阪記者)
この井上を「使うべき!」の声も多い。井上の足のサイズは背番号と同じ32センチ。一軍で大きな第一歩を踏み出せば、チームが爆発するのは必至だ。
1964年の東京五輪イヤーでも、リーグ優勝を果たしたのは阪神。いまはまだ眠れる獅子の状態だが、120試合制で奇跡のゴールテープを切れるか?