しかし、その表情は暗い。理由は簡単だ。6月の練習試合ですでに指摘されていたが、リリーフ陣をもう一度立て直さなければならないからだ。
「佐々岡監督は少し痩せましたね。まあ、指揮官に就任した当初は肥満気味で、周囲に冷やかされていましたから」(スポーツ紙記者)
現役時代は細身の投手だった佐々岡監督。現役を引退し、徐々にメタボ化が進行していたが、佐々岡監督が痩せたのは健康目的のダイエットによるものではない。采配のプレッシャー、それも投手出身の監督なら得意なはずの“継投策”で悩んだ結果なのだ。
「性格的にマジメな人。就任と同時に課せられたのが正捕手・會沢翼の慰留交渉でしたし、この数カ月間、気苦労が絶えません」(同)
そんな佐々岡監督をさらにゲッソリさせたのは、開幕第3戦だろう。クローザーに抜擢したT・スコットが横浜DeNA打線に掴まり、逆転サヨナラ負けを喫してしまった。それも、1アウトも取れずに…。
「元々、クローザーは中﨑翔太かG・フランスアで行く予定でした。中﨑は昨年11月に右ヒザ半月板部分の手術を受け、まだ本調子ではなく、昨季67試合に登板したフランスアも、勤続疲労なのか、直球が走っていませんでした」(地元関係者)
新型コロナウイルスによる活動休止期間中、選手たちの練習をジッと眺めていた佐々岡監督。考え抜いた末に出てきたのが、スコットの抜擢だった。しかし、荷が重いのか、その後の登板でも走者を背負う薄氷のピッチングが続いている。「まだ始まったばかり」
佐々岡監督はそうスコットをかばうが、悩みのタネはこれだけではなかった。
「打線にしても、同様です。オープン戦、練習試合で何度か、菊池涼介を5番で試していました。『1番・ピレラ』の新打順に辿り着くまで。選手の守備位置も動かしていました」(同)
一般的に、投手出身の監督は、打順に関しては担当コーチに丸投げする。佐々岡監督も高信二ヘッドコーチに相談はするが、他人任せにはできない性格のようだ。だから、頭を抱え、痩せてしまうのだ。
佐々岡監督がポッチャリ体形を取り戻したとき、広島は上昇機運に乗りそうだ。