「人気者の“シブコ”こと渋野日向子にとっても、待ちに待った開幕。ですが、にわかに暗雲が立ち込めてもいるのです。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)は去る5月20日、新型コロナウイルスの感染拡大によりツアー大会の中止や延期が続いている状況について対応策を発表。その中で、選手の2020年の出場資格を『次年度も持ち越す』と決めたのです。やむを得ない特例ですが、当然といえば当然。次年度適用は大方の予想通りでした」(スポーツ紙記者)
そんな中、思いも寄らない措置があった。シブコが昨夏の全英オープン優勝の“アドバンテージ”を喪失してしまったのだ。
「21年度の米ツアーの出場資格を争う予選会の中止も決定しました」(同・記者)
今年の出場資格を来年に持ち越すため、新たに資格取得のための予選会は行わないという。これも当然の措置かもしれないが、シブコの読みは外れたわけだ。
「シブコは全英オープンで優勝し、20年の米ツアー出場の資格を得ました。しかし、まだアメリカで戦う覚悟ができていないことや、国内フィーバーに応えなければいけないことを理由に、その権利を行使しませんでした。20年は国内ツアーと東京五輪に専念し、その後、21年度は資格取得のため予選会からしっかり戦う意向だったのです」(国内ツアー関係者)
東京五輪の延期が決定した時点で、シブコとそのスタッフは「まずい」と感じていたそうだ。しかし、シブコは日本女子ゴルフ界の“ドル箱”であり、彼女の出場を理由に協賛を決めた企業もあった。
一方、米ツアー挑戦の野心を持つ女子選手の一部は、「コロナ禍で入国困難になる」「入国できてもしばらくは隔離」などの海外ツアーの状況を知り、いち早く日本を脱出していた。
「シブコは自身の立場を分かっていて、その責任感から海外に行きませんでした。今のところは、来年の東京五輪に出場してメダル獲得という目標があるので、モチベーションは下がっていません」(同)
夢の米ツアー挑戦が先送りになったのは気の毒だが、シブコの近くにいたいファンはひと安心。何よりも、無観客とはいえ、ようやく開催決定となった国内ツアーでの大活躍を楽しみにしていることだろう。