「一部の部屋でぶつかり稽古は解禁されたものの、相変わらず出稽古は禁止されています。みんなでチャンコ鍋を囲んで和気あいあいという大相撲界ならではの食事風景などもっての外。今は、1人ずつ皿に取り分けられた料理を無言のまま、黙々と食べなければならない。すっかり環境が一変しています」(担当記者)
部屋での稽古や力士たちへの取材も完全シャットアウト。すべての情報は協会広報部が管理しており、それを一手に取り仕切っている芝田山広報部長(元横綱・大乃国)の存在感が増しているという。
「記者たちは『芝田山親方にそっぽを向かれたらおしまいだ』と戦々恐々です。広報部を差し置いては小ネタも拾えないんですから。もっとも、この3カ月は休眠状態で、たいしたネタもありませんでしたが…」(同・記者)
控え目な八角理事長(元横綱・北勝海)とは対照的に弁が立ち、態度も大きい芝田山広報部長。一部では“第二の理事長”と呼ばれていたが、このコロナ騒ぎに乗じて「本物の理事長に虎視眈々」というウワサまで流れ始めた。
「もともと、芝田山の八角理事長に対するライバル意識は大変なもの。芝田山の出身地は北海道の芽室町で、八角理事長の十勝町のすぐ近く。年齢も1つ違いで、他の力士には負けても『北勝海にだけは負けるな』という土地柄ですからね。現役時代、大横綱の千代の富士が兄弟子という優位を生かした八角理事長に何度も泣かされ、引退後も理事長争いで先を越されたことから、『次(の理事長)はオレだ』の思いが強いのは確か」(協会関係者)
所属する二所ノ関一門には、消滅した貴乃花一門の残党が大量合流し、出羽海一門に肩を並べる大派閥に成長。今期限りで長老の尾車理事(元大関・琴風)が勇退し、芝田山広報部長が取って代わるとあって、条件は整っているのだ。
次期理事長選は再来年。それまでコロナの影響が続いているとは思えないが…。