「この日、昨夏の甲子園で話題になったヤクルトの奥川恭伸もブルペン入りしました。変化球を交えた実戦さながらの投球練習を見ていると、投げたくて投げたくて、ウズウズしていたのが分かりました」(スポーツ紙記者)
こうした情報を聞いていると、佐々木、奥川の実戦デビューもそう遠くないようだ。しかし、大ブレークの予感を漂わせていたのは、彼ら“令和組”ではなく、“平成最後の怪物たち”だ。
「北海道日本ハムもチーム練習を再開させました。初日から清宮幸太郎(21)が一軍に合流しています」(球界関係者)
清宮といえば、昨年10月に右肘にメスを入れ、今春キャンプでは大きく出遅れていた。3月上旬、そのリハビリ明けと同時にいったん一軍に合流したが、「開幕戦が近づいてきたからレギュラー優先」とのことで二軍落ちしていた。
「投内連携、シートノック、フリー打撃など“休憩ナシ”の練習が約4時間も続きましたが、心配された体力不足はまったく見られず、むしろ、楽しそうに見えました」(同)
3月の一軍合流時はそうでもなかったが、同日の清宮は「胸部が厚くなった。臀部も」と、体が大きくなった印象を受けた。リハビリ期間中も相当、バットを振り込んでいたのだろう。もともと、打球の滞空時間か長いほうだったが、さらに延びた。また、バットの芯で捉えた鋭い打球が逆方向にも弾き返されていたことも印象に残った。
プロ野球界には、「体が大きくなったとき、その選手は成長し活躍する」という定説が存在する。その定説からすれば、今季は清宮にとって飛躍の年になるのではないか。
「同じことが言えるのが、吉田輝星(19)です。もともと下半身がドッシリしたタイプでしたが、さらにお尻が大きくなりました。プロ1年目のオフ、かなりの走り込みをしたんだと思います」(同)
吉田は昨季、二軍戦での白星より先に一軍でプロ初勝利を挙げたが、1勝3敗、防御率12・27に終わった。その悔しさが危機感につながった。
「清宮はけがが多く、ハードな練習をすると必ずどこかを痛めていました。練習に耐えられる身体が、やっとできてきたんでしょう」(ベテラン記者)
プロの洗礼、厳しさを知った平成男たちが、日本中を覆う閉塞感を吹き飛ばしてくれそうだ。