ビタミンが体に与える影響は、種類によって異なります。例えば、みかんなどの柑橘類に多く含まれるビタミンCには酸化防止の作用があり、コラーゲンの生成にも役立ちます。一方で、欠乏すると出血が止まらなくなり、壊血病になります。また、豚肉などに多く含まれるビタミンB₁はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素で、不足すると心不全や多発神経炎などのリスクが高まります。
このように、ビタミンは私たちの体になくてはならないものですが、だからといって必要以上にビタミンを摂取すれば元気になるかといえば、そういうわけでもありません。例えば、ビタミンCの過剰摂取は尿路結石の副作用を引き起こします。
ビタミン剤は健康によくて副作用がないと思ってしまいがちで、健康への不安から過剰に摂取する人がいます。しかし、尿から排泄される水溶性ビタミン(B群、C)に対し、A、D、E、K(「アデク」と覚えましょう)の脂溶性ビタミンは、過剰に摂取した分が肝臓などの脂肪に蓄積します。
その結果、過剰症を引き起こす恐れがあるので、摂りすぎには十分気をつけましょう。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp