去る5月22日、日本野球機構(NPB)は、Jリーグと連携するオンライン形式の第8回連絡会議と、12球団代表者会議を開催。同日、発表には至らなかったが、プロ野球全球団は6月19日のペナントレース開催に向け、奔走を続けることを確認した。
「この日、開幕戦の日程を発表できるかも、との事前情報もあったんです。代表者会議後、『5月中に』とトーンダウンしましたが、出席者の表情は明るかったです」(スポーツ紙記者)
しかし、「その問題はこっちに置いといて」と“棚上げ”にされた話もある。興行収益の大幅ダウンをどうやって取り戻すか、だ。
「カネの話は後々、響いてきますよ。旧ベイスターズが球団を手放したことと、東日本大震災は無関係ではありません。12球団がスクラムを組み、きちんと対策を講じておかないと」(同)
現在、「70人まで」とされている支配下選手登録数を「40人に減らす案」があるそうだ。その発信源は不明だが、参稼報酬(チーム総年俸)を減らして急場をしのぐというプランだ。選手会は絶対に認めないだろうが、前回の第7回代表者会議でこんな意見が交わされたという。
「来年からしばらくの間、通常143試合のペナントレースを148試合に拡大する提案がされました。リーグ内の各対戦カードを1つずつ増やすんです」(関係者)
その牽引役は、巨人と阪神だ。「148試合案」は、雨期の試合中止による終盤戦の日程調整、選手への負担なども考えれば、実現可能な数値だ。しかし、“GT共闘”に戸惑う他球団出席者は少なくなかった。
「6月19日の開幕を目指すという強い言葉が、巨人、阪神の双方から出て、他のセ4球団もそれに追随していきました」(同)
GTの意見合致に他球団が驚いたのは、両球団が他の議案で激しくぶつかっていたからだ。
その話は、3月9日にさかのぼる。
「実行委員会で、現役ドラフトについて協議されました。阪神は導入に賛成の立場を表明し、巨人は反対。『戦力の均衡化』の解釈を巡り、一方が机を叩く場面もあり、育成選手を育てる可否まで話が及び…」(同)
もっとも、両伝統球団が早期の開幕戦を強く言わなければ、12球団はスクラムを組めなかっただろう。
支配下登録を40人に減らす案は消えていない。今後、両球団が非難覚悟で議論に加えるのではと予想する声も聞かれた。
球界の未来のためにはGT共闘が不可避か。