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“9月入学”が実現したら正月の風物詩も様変わり…箱根駅伝に与える大きな影響とは

 5月27日、政府は新型コロナによる全国的な学校休校を受けて検討した2021年度からの“9月入学”の導入を見送る方針を固めた。一方で、自民党内では9月入学賛成派も多いことから、将来的な導入についての議論は続けるという。

「そもそも授業の遅れを取り戻す目的から“世界基準”の9月入学に学校スケジュールを組み直す話が出始めていました。米国、中国なども9月入学なので留学はしやすくなる。その影響は、国内の学校スポーツにも大きく及ぶ話です」(スポーツ協会担当記者)

 その一例が、新春恒例の箱根駅伝だ。大学の3大駅伝といえば、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝、そして、1月の箱根駅伝。出雲が行われる10月には箱根の予選会も開催される。つまり、9月入学になると、入部わずか1カ月で大舞台を迎えることになるわけだ。

「高校と大学では、同じ長距離でもランナーに求められるものが違います。高校の長距離ランナーが重要視している大会は、インターハイ(IH)と全国高校駅伝。IHは1500メートルと5000メートルだから、スピードが重視。これに対し、大学の駅伝は1区間が10キロ強。スタミナ勝負の世界です」(スポーツライター・飯山満氏)

 高校生ランナーは4月に入学後、トラック走の大会で場数を踏むが、変貌を遂げるのは8月だという。

「8月の合宿は、まさに地獄。炎天下の中、毎日30キロ走を午前と午後で2回やるか、30キロ走と25キロのクロスカントリーをやります。月間1000キロなんて当たり前。そこで4月入学の1年生はふるいにかけられ、出雲、箱根予選、全日本で頭角を現していくのです」(同)

 もし9月入学となった場合、わずか1カ月、夏合宿を経験していない1年生が大学初年度からデビューすることもあり得る。よほどの天才であればだが…。

「全国高校駅伝の主区間は8〜10キロです。20キロ程度の区間が続く箱根に対し、出雲は1区間が少し短い。とはいえ、どの大学も2年生からデビューさせることになるでしょう」(前出の担当記者)

 何はともあれ、9月入学はお正月の風物詩さえも変えることになるというわけだ。

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