また、女性ホルモンにはカルシウムを維持する働きがあるので、女性のほうが骨粗しょう症を起こしやすいのです。特に閉経後や50歳を越える頃から急速に骨が弱くなるので、定期的に骨密度を測り、自分の状態をこまめにチェックしましょう。
ほかにも、腸管からのカルシウムの吸収を助けるビタミンDの不足や運動不足、過度なダイエットなども骨粗しょう症の原因になります。健康寿命を延ばすには病気の予防が大事と言われていますが、重大な合併症である骨折を予防するためにも、骨粗しょう症を治療することは大切なのです。
骨粗しょう症の予防は、若い頃から骨を丈夫にしてカルシウムを貯めておくのがベストですが、中高年からでも適度な運動やカルシウムの多い食事を心がければ間に合います。また、骨粗しょう症と診断されたら、なるべく早く治療を始めるべきです。基本は運動と食事療法で、1日の合計で30〜40分程度ウオーキングするのがお勧めです。
最近はさまざまな薬剤も使えるので内科や整形外科の医師に相談するのもよいでしょう。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp