モデルは、アメリカのメジャーリーグが目指している「アリゾナプラン」だ。アリゾナはメジャーの2大キャンプ地の1つで、メジャー仕様の球場が10カ所ある。その上、ウイルス感染者が比較的少なく、各球場間の移動も容易なので感染リスクが少ない。試合はすべて無観客のため、テレビやパソコンでのみ視聴可能になるという、今季限りの苦肉のプランだ。
一方、日本のプロ野球も、キャンプ地はすべて沖縄と宮崎にある。沖縄はDeNA、阪神、中日、ヤクルト、楽天、ロッテ、日本ハムの7球団。宮崎には西武、ソフトバンク、オリックスの3球団。巨人と広島は、両方でキャンプを行っている。
単純に編成すれば宮崎に5球団、沖縄に7球団といういびつな編成となるが、ロッテは2016年までは鹿児島をキャンプ地としており、その関係性を考慮して隣県の宮崎組に移れば、帳尻が合う計算だ。
「選手にとって一番困るのは、シーズンの全面中止。夏の沖縄の暑さは厳しいが、それを乗り越えてもらうしかない。どのような形であれ、開幕しないことには“おまんま”の食い上げになり、選手会も反対できない」(スポーツ紙記者)
収入源はスポーツ専門の動画配信サービス『DAZN(ダゾーン)』などのテレビ中継に頼ることになるが、その延長線には転んでもただでは起きない商魂が透けて見える。これを足がかりに「プロ野球くじ(=toto野球版)」実施に踏み込もうという魂胆があるという。
「totoはもともと、配当は半分で、残り半分がスポーツ振興を含めた寄付に当てられる。今回の新型コロナの影響で、野球はアマチュアを含め、壊滅的な財政状況にある。破綻を余儀なくされる球団も出てくるだろう」(同・記者)
「野球復興」という大義名分で「プロ野球toto」が導入される日も近い?