腰痛診療ガイドライン2012では、腰痛体操の種類によっては効果に差がないと示されました。例えば、椅子やベッドの端に座って腰を左右に傾けたり、ひねったり、前後にねじるといいです。初めは痛くても少しずつ体操の程度を強めていきます。ただし、動きが急すぎると腰の痛みをさらに悪化させるので、スローモーションでゆっくり行いましょう。ストレッチにかける時間は1回数秒〜30秒ほどで、これを1日数回、時間が空いたタイミングで気軽に行います。
慢性腰痛の場合、肉体的だけでなく、精神的にもダメージを受けます。体を動かすのが億劫に感じることもあると思います。しかし、安静にしすぎると次に動くときに痛みが強くなってしまうので、可能な範囲で動くことが大事です。動作をゆっくりするように心がけます。
リハビリとは肉体的、精神的に元の健康な体に戻す、という意味です。体操やウオーキングで元の健康な体、腰に戻しましょう。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp