大谷翔平(25)が所属するエンゼルスのミッキー・キャロウェー投手コーチが日米メディアの電話取材に応じたのは4月7日だった(現地時間)。大谷はすでに50メートル以上の遠投も続けており、近く、投球練習も再開させるという。
「実戦形式のピッチングも可能なレベルに来ています。遠投だけではなく、変化球を交え、全力投球をしています」(米取材記者)
米春季キャンプが始まった頃の情報では、「投手・大谷」の復活は5月と言われていた。
「いったん、マイナーに降格させ、そこで数試合投げさせてから…」とも伝えられていたが、一連の新型コロナ感染拡大の影響で、メジャーリーグのペナントレースは始まっていない。「自宅に戻るか、キャンプ地に残って練習するかは自由」という現状が“追い風”となった。地元・アナハイムでの練習を選択した大谷は、投手の調整にも十分な時間を割くことができた。
また、マドン新監督の構想が興味深い。
「エンゼルスの看板打者であるトラウトを2番に、新加入の強打者レンドンを3番に置く構想です。昨季は主に2番・トラウトの後の3番を任された大谷でしたが、トラウト出塁後の大谷の打率がよくないんです。レンドンを2人の間に挟む構想をマドン監督は話しています。『大谷が4番か?』の質問にも否定しませんでした」(特派記者)
マドン監督は「大谷が登板する日は指名打者制を使わない」と明言している。
「マドン監督は、打者としてよりも、投手・大谷の起用の比率を高めたいと思っています。昨年の先発投手陣だけのチーム防御率は5・64でリーグワーストです。大谷の復活にかなり期待していました」(同)
大谷は、先発登板した翌日はベンチを外れる。大谷ナシの試合が2日ほど続き、その後、指名打者で2試合出場して、また先発準備のため1日ベンチを外れるといったルーティンだった。つまり、1週間すべて連戦となっても、打者・大谷がフル出場できるのは2日程度のみ。だから、マドン監督は大谷が先発する試合でも打席に立たせるため、DH制を使わないようなのだ。
開幕戦の延期でどの球団もファン離れを心配しており、「4番、ピッチャー大谷」で挽回を狙う声は当然ある。待望の開幕戦が、二刀流復活の舞台となるかもしれない。