目の届くところに、との配慮もあったのだろう。井口資仁監督(45)も「焦らせるつもりはない」と言った通り、今回の一軍帯同は“体験”だが、周りの大人たちがそれを許さない。
「新人自主トレで判明したのは『筋力はある』ということ。腕、肩、腰、脚の筋肉量が多く、測定数値も高い方でした。でも、持久力がなく、すぐにバテてしまう。12分間走などのランニングもつらそうでした」(スポーツ紙記者)
ドラフト指名した5人中3人が大学生。体力差は仕方ないが、素質は体力測定で改めて証明されたようだ。慎重に育てていかなければならないが、そうもいかない事情も出てきた。
「今年は五輪イヤーなので、プロ野球界もその勢いに便乗したいと考えています。侍ジャパンの壮行試合として、『若手中心のネクストチーム』を編成し、日本代表と競わせるプランも出てきました」(球界関係者)
’06年、第1回WBCの壮行試合がイメージされているのだ。当時、12球団選抜チームが編成され、侍ジャパンと対戦した。その時、12球団選抜のマウンドに上がったのが、プロ2年目のダルビッシュ有だ。その試合を経て北京五輪予選リーグに先発し、第2回WBCメンバーに選出された。この理想的な成長劇を踏襲してもらいたいからか、佐々木のネクストチーム入りも囁かれている。
「恒例の3月の国際試合はペナントレースの前倒しもあり、日程的に不可能です。ペナントレースが中断する7月が検討されています」(同)
また、2月7日から侍ジャパンのドキュメンタリー映画『侍の名のもとに』が上映される。その舞台挨拶か宣伝のひと言を佐々木に、との声も聞かれた。
「今の佐々木には、二軍戦でも1年間を戦う体力はありません。でも、怪我をしていないので、体験目的で、オープン戦のどこかで投げさせるという話も聞かれました」(前出・記者)
1イニングなら、行けるという。早くも佐々木グッズの販売を開始したロッテ。壮行試合の登板案も驚きだが、営業的事情で今後も佐々木には前面に立ってもらう算段だ。とはいえ、あくまでも「慎重に」。早々の過保護デビューは間違いなさそうだ。