これまで本誌で報じた通り、イチローを引き入れたいとする筆頭と言えば、人気低迷が危ぶまれる侍ジャパンだった。監督、コーチならば最高だったが、イチローが引退後にマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターに就任したため、そうもいかなくなった。
ならば、東京オリンピックの野球競技を盛り上げるため、大会期間中にアドバイザーとして選手たちに直接アドバイスを送ってもらおう。NPBはこのプラン実現に向けて動き始めたが、イチローのもとには、古巣・オリックスの関係者も接近していたのだ。
「早ければ今春キャンプか、遅くとも近年中にはイチローの臨時コーチを実現させたいようです」(在阪記者)
来たる「監督就任」に向けての一環だろう。オリックスグループはイチローをテレビCMに起用したほか、宮内義彦オーナーが機を見て会食するなど、友好関係を保ってきた。将来、「イチロー監督」を実現させたいからだ。
昨年3月の引退会見で、「指導者向きではない」とコメントしたイチロー。引退後はマイナー選手を指導する傍ら、現在も練習を続けているという。それは稀に見る野球好きがそうさせるのだが、再びユニホームを着るには指導者になるしかない。そのことは本人も自覚しつつあるはずだが…。
「オファーを出すタイミングが難しい。監督業に興味のない人の関心を引くんですから」(関係者)
イチロー監督の実現に向け、その第一歩となりそうなのが、キャンプ中の臨時コーチ就任である。日本の春季キャンプはメジャーよりも2週間ほどスタートが早い。仮にマリナーズでの若手指導があるとしても、日程的には十分可能だ。
また、オリックスに関してはこんな情報も聞かれた。
「昨季最下位だったのに、減俸査定となったのはT-岡田など一部選手だけ。若手中心に作り替えている最中で、山岡泰輔、山本由伸、榊原翼など、今季の先発ローテーションは全員20代になるかもしれません。2、3年後の優勝を見据えているのでしょう」(在阪記者)
チームの若返りは、イチロー招聘に向けた環境作り…。若く、勢いのあるチームを見れば、指導者の道に興味が湧くかもしれない。