大坂がベルギー人のウィム・フィセッテ氏を新コーチに迎えたと明かしたのは、昨年12月15日。4大タイトルの1つである全豪オープンは既に始まっているが、連覇を狙う大坂にとって、新コーチ就任は師走のドタバタ劇となった。
「大坂は世界ランキング1位に返り咲くことを目標としています。今年は東京オリンピックもあり、彼女にとって大事な1年になります」(専門誌記者)
そのため、フィセッテ新コーチの役割も重要となる。しかし、ちょっと心配な面も見えてきた。
「フィセッテ氏は理論派で、相手選手の特徴や傾向を数値化して『この方向に打ち返せ』とか、具体的な指示を出してきます。その細かさは、ある種の“オタク”と言えるほど。これまで4人の選手を4大タイトルに導いた実績もありますが、大坂との契約が発表されたとき、海外では衝撃を持って伝えられています。直前までアザレンカ選手のコーチでしたから」(同・記者)
元世界ランク1位のアザレンカも、同コーチによって導かれた1人だ。しかし、故障休養中で、大坂サイドから要請を受けたとき、彼女がその背中を押したという。
「フィセッテ氏が大坂に乗り換えた」ような雰囲気もあり、海外メディアは全豪での大坂に“前年覇者”以外の点でも注目しているそうだ。そんな大坂は、精神的に打たれ弱い一面がある。
「ご存じの通り、大坂はコートで泣き出すこともあります。感情的な大坂にとって、理論派のフィセッテ氏に学ぶことはプラス面も多いはず。でも、喜怒哀楽の激しいところが大坂の魅力でもあります」(在京テレビ局スポーツ部員)
フィセッテ氏は自身の指示、データに反したプレーは絶対に許さない。それは、相手がどんな一流選手であっても、だ。
大坂は感情を捨て、ロボットのようなプレーするのか? 日本のファンも連覇以外の関心を持って、全豪での大坂を見守ることになりそうだ。