東京ヤクルトスワローズの新人合同自主トレが1月7日に始まった。高津臣吾新監督(51)も埼玉県の戸田球場にわざわざ駆け付け、6人の新人選手に訓示を伝えていた。初日の視察目的は、言うまでもない。昨夏の甲子園を沸かせた奥川である。
「高津監督は奥川を二軍キャンプでスタートさせる構想を明かしています。でも、そんな悠長なことは言っていられなくなるでしょう」(スポーツ紙記者)
千葉ロッテのドラ1、“令和の怪物”こと佐々木朗希(18)が昨夏の岩手県大会決勝で故障回避のため、登板を見送った。球数制限を訴える世論の影響もあって、「高校生は体力がない」という考え方が浸透してしまったが、松坂大輔や田中将大は高卒1年目からバンバン投げていた。
そもそも、高津監督が奥川の二軍スタートを決めた理由は、「怪我をさせたくない」の親心に尽きる。
「’17年以降、ヤクルトには高卒投手に対する育成マニュアルみたいなものがあるんです。『キャンプは二軍、実戦登板は3月下旬以降』という…」(球界関係者)
球数制限の導入論者もビックリするような内容だ。
「’16年ドラ1の高卒左腕・寺島成輝を故障させたからですよ。寺島は『即戦力』と評価されていましたが、プロ3年で登板は5試合だけです」(同)
高津監督が奥川に対し、慎重になるのも分からなくはない。また、キャンプ報道のメインは「話題の新人」だ。二軍スタートとしたのは、メディアに晒し、奥川を必要以上に緊張させてはならないと考えたからだろう。しかし、こんな意見もある。
「昨季、最下位に終わったヤクルトの弱点は先発投手です。小川泰弘、石川雅規、原樹理、新加入のG・イノーアがローテーション入りすると見られていて、5番手以降に山田大樹、高梨裕稔らが加わりそうです。今月、40歳になる石川を2番手に計算しなければならない惨状で、そんな投手陣の補強リストの筆頭に奥川の名前が出ているんです」(前出・スポーツ紙記者)
奥川の二軍スタートは、ライバル球団のスコアラーたちの目をそらすための作戦かもしれない。だが、使わざるを得ないといった雰囲気も…。奥川は1年目から一軍で、「松坂・田中ルート」を踏襲する?